【琉球新報 2010年2月26日】
<「オスプレイなら1500m必要」 普天間代替施設で前原氏>
米軍普天間飛行場の移設に関し、前原誠司沖縄担当相は26日午前の閣議後会見で、「日米同盟関係、海兵隊の役割を考えた場合、これからの主力機はオスプレイになる。その場合は滑走路は1300メートルから1500メートルくらいいるのではないか」との見解を示した。
政府閣僚が普天間代替施設へのオスプレイの配備を前提に発言したことや、オスプレイに関連して滑走路の長さに触れたのは初めて。
以下省略
【琉球新報電子版】
<MV-22オスプレイ(ヘリコプターモード)>
米海兵隊普天間基地の代替施設(辺野古予定)に、CH-46CH-53の後継機として「オスプレイ」が配備される予定です。
この「オスプレイ」という航空機の特徴を知ることは、海兵隊の航空基地の重要性を理解することにつながりますので、今回は、オスプレイを紹介させていただきたいと思います。
現在普天間基地にある米海兵隊の主力機は、ヘリコプターです。
なぜなら、米海兵隊は、有事の際真っ先に敵地に上陸し制圧することを任務としているため、飛行場や滑走路の無いエリアでの作戦行動が基本だからです。
(海軍や空軍は、航空基地や空母を中心に作戦行動し滑走路の存在が前提です。)
ヘリコプターの最大のメリットは、滑走路がいらない事です。
しかし、大きなデメリットが二つあります。それは、速度が遅い事と、航続距離が短い事です。
その弱点を埋め、ヘリコプターのメリットと固定翼機のメリットを満たすために米軍が開発した航空機が「V-22オスプレイ」です。そして海兵隊仕様が「MV-22」です。
<MV-22オスプレイ(通常モード)>
私は専門家ではありませんが、常識の範囲で尖閣諸島の有事の際の航空機の運用についてシミュレーションしてみたいと思います。
ただし、中国が核ミサイルによる脅しを使わないことが前提であることをご了承いただきたいと思います。
中国軍は、尖閣諸島に上陸したら、真っ先に機雷を敷設したり、潜水艦などで防御体制を固めてくることでしょう。
そのような時に、戦闘員を尖閣諸島に上陸させるには、ヘリボーン作戦しかありません。
航空機で兵員と武器を運搬するのです。
中国軍の動きを察知してから、どれだけ早く兵員と武器を尖閣諸島へ運搬できるかが勝敗を決めるのです。
中国軍が防御を固めてから上陸する場合、奪還作戦は非常に困難になります。
しかし、中国軍が動きを察知し、迅速に兵員と武器を尖閣諸島へ配置し先に防御を固めた場合、中国軍は上陸をあきらめることになります。
ですので、普天間基地の県外移設という選択肢はありえないのです。
また、海兵隊の地上部隊と飛行場はできるだけ近い方が良いのです。
これらの条件は、本来なら米軍ではなく、日本政府、特に防衛庁から要望するべきものだと思うのです。
有事の際、日本の領土と国民の生命と安全を守るために、米海兵隊が迅速に作戦行動を行えるように基地を提供するのがあたりまえです。
それに対して、理解能力の足りない国民に対しては、防衛知識を教育するのが文部科学省の役割でだと思うのです。
<MV-22オスプレイ スリングオペレーション>
<動画V-22 Osprey arrival at AirVenture 2008>
<スペック>
全長:17.47 m(ピトー管含まず)
全幅:25.54 m(ローター含む)
全高:6.63 m(VTOL時)
ローター直径:11.58 m
空虚重量:15,032 kg
最大離陸重量(垂直離陸時):23,981 kg
最大離陸重量(短距離離陸時):27,442 kg
エンジン:ロールスロイスアリソン社製 AE1107C ×2基)
出力:6,150 shp
最高速度: 565 km/h
航続距離 :最大 約3,000km以上
乗員4名+兵員24名