●沖縄県名護市長選の結果
稲嶺 進 17950
島袋吉和 16362
得票率 52・3% 対 47・7%
投票率 76・96%
この数字を見ると、相当な接戦であったことがわかります。決して名護市の皆さんが、すべて米軍基地の辺野古受け入れに反対しているわけではありません。島袋氏は、普天間移設問題については、過去の市長選で決着したことだとして、選挙の焦点にあげていませんでした。
名護市の有権者には、普天間移受け入れ容認だけれども反対派の稲嶺氏に一票を入れたという方もいます。普天間基地の移設先として辺野古受け入れ容認しているが、島袋氏の振興策を支持できず稲嶺氏に一票を入れたと言うわけです。米軍の辺野古受け入れ反対派の稲嶺氏は、市議会で反対決議をあげると言っていますが、これをとってみても名護市の総意とはいえないと思います。果たして、今回の名護市長選を判断基準に普天間基地県外移設を決断していいものでしょうか?
●稲嶺陣営に動揺を与えた1月17日の沖縄県保守団体のデモ
また沖縄の自由を守る会、沖縄維新会が行った1月17日の「日米同盟堅持」デモ行進は、稲嶺派に相当な衝撃を与えたことは間違いありません。デモ行進中に、「日米同盟破棄が目的の稲嶺陣営の正体」のチラシを受け取った一般の市民から、そのチラシを配布したいから、ほしいという声もあったほどです。
稲嶺氏の選挙応援は、民主党、社民党が全面的に応援演説を行いました。もし自民党が、全面的に島袋氏を応援していたら、結果は逆転していた可能性もあります。
●一坪反戦地主とは
さて、読売新聞で、稲峰氏の正体として「一坪反戦地主」であったことが明らかにされています。昨日のメルマガでも少し出てきましたが、この「一坪反戦地主」を、皆さんはご存知でしょうか?
【名護市長、1600票差の選択…基地対立13年】
(読売新聞 – 01月24日 23:50)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100124-OYT1T01002.htm
基地反対の目的ために「ハンカチ程の土地」を買い地主として米軍基地を沖縄から追い出す運動を行っているのです。中には、関東の日米同盟破棄、普天間基地反対の活動家もいます。
<沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック>
http://www.jca.apc.org/HHK/Tsushin/142/142_int.html
これは、米軍基地反対のためにハンカチ程の土地に分けて関東の左翼が組織ぐるみで買ったという証拠です。
●左翼の「普天間基地闘争」
まさに、地主が、国の建設物に反対する構図は、左翼の「成田闘争」と同じです。成田闘争は、国に虐げられた地主の支援として行われましたが、成田闘争の教訓から自分たちが自ら地主となって反戦(反米)を叫ぶ。そのために考案されたのが、組織ぐるみで、ハンカチほどの土地を買い、地元の「地主」となることです。これが「一坪反戦地主」の実態です。こうして「成田闘争」などの活動を展開してきた本土の左翼活動家は、闘いの場所を沖縄に移してきました。
マスコミもこうした事実を報道しません。それどころか沖縄の地主は、基地に反対しているという報道が大きく取り上げられます。
●ああ言えば、こうも言う民主党政権
名護市長選の結果を踏まえ、平野官房長官は、このように述べました。
「(移設先の自治体と)合意をとらないと物事が進められないものなのか。日本の安全保障にかかわってくる問題だ」と述べ、地元の合意が得られなくても移設先を決めることがあるとの認識を示した。」
(産経新聞)
おそらく米国からの相当な圧力が背景にあるとは思いますが、当初から、メルマガでも「辺野古移設は、日本の安全保障問題、県民の声を聞いて決めることではなく、県民を説得する努力をして辺野古案を実現すべきこと」という主張をしてきました。
「ああ言えば、こうも言う民主党政権」ですから、また主張がぶれることが予想されますが、今後も沖縄での第二・第三の運動を展開し政府に私たちの声を届ける活動を展開してまいります。
(JSN副代表・ささき)