●中国初の「海島保護法」年内に成立へ
2009.11.23 産経新聞
中国領内の離島の生態を保護し資源開発を管理する「海島保護法案」が、年内に成立する見通しとなった。これまでずさんだった無人島の管理を強化し、海洋のエネルギー、漁業資源を守ることが狙い。だが、法律が成立すれば、東、南シナ海などで領有権を争う周辺国との摩擦が再び高まる可能性もある。
(中略)
全国人民代表大会(全人代=国会)の常務委員会で審議中の「海島保護法案」は「住民がいない島の所有権は国家に帰属し、国務院が国家を代表して無人島の所有権を行使する」と規定している。離島の生態保護や開発計画は国が制定し、個人や企業が開発する際の権利と義務も明記されている。無人島とその周辺の海域の定期巡視制度も、同法案に基づき今後、構築されるという。
しかし、日本に対し領有権を主張している東シナ海の尖閣諸島(中国名・釣魚島)や、マレーシア、フィリピン、ベトナムなど5カ国と領有権を争う南シナ海の南沙諸島(英語名・スプラトリー)諸島も、同法案の保護対象となるとみられる。中国による周辺海域への監視体制が強化されれば、周辺諸国からの反発は必至だ。
とくに南沙諸島をめぐっては、今年に入ってから緊張感が高まっている。3月にマレーシアのアブドラ前首相がここを視察し領有権を主張。フィリピンも同月、諸島の一部を自国領とする「領海基線法」を成立させた。中国は猛反発し、ほかの国が実効支配する島嶼(とうしよ)周辺に、漁業監視船や海洋調査船を頻繁に派遣し、挑発行為を繰り返している。新法が成立すれば、中国は同海域にさらに積極的に進出することも予想される。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/091123/chn0911231839006-n1.htm
(引用終わり)
今の国際海洋法では、島の領有は実質実効支配している側の国が有利に働く。中国の海洋戦略は、まず法律で領有を宣言し人を住まわせ、それを守るため軍艦を派遣することである。
そのようにして中国は、南シナ海にある南沙諸島、中沙諸島のベトナム、フィリピンが領有をしていた島々を次々に実効支配していった。こうした実効支配は、ベトナム戦争でアメリカ軍がベトナムから撤退し後、フィリピンから米軍が移転した後に起こっている。
南シナ海の西沙諸島、中沙諸島で起こった事が、上記引用のニュースでは、南沙諸島でも起ころうとしている。そして南シナ海で起こったことは、近い将来東シナ海でも起こるだろう。
中国は、南シナ海でやったことと同じ手法で、沖縄から米軍が県外移設、あるいは日本から撤退した空白を縫って尖閣諸島を実効支配することは間違いない。すでに、尖閣諸島近海は、昨年12月の中国船の占拠以来、中国船が頻繁に出没する海になっている。
鳩山政権は、与那国島自衛隊配備も中国を刺激するとして白紙撤回した。また鳩山首相は、中国に「東シナ海を友愛の海にしよう」と呼びかけているが、ここからも中国による尖閣諸島の実効支配が行われたとき、民主党は、中国に抗議すら行わないことが十分予想される。
中国を刺激しない、それが鳩山首相の「友愛」の意味である。中国は一発の弾も撃つことなく尖閣諸島(魚釣島)を領有することになるだろう。こうして次は、台湾や与那国島、沖縄本島が狙われる。
それを防ぐには、日米同盟の強化と沖縄(与那国島など)への自衛隊配備し、断固として中国に対して尖閣諸島、沖縄を守る意志を示すことである。しかし、残念ながらすべてにおいて民主党は、逆のことを推し進めようとしている。