【書評】この本の内容がすべて正しいと私は断言しない。しかし、テレビ・新聞などのように印象操作をしている報道とは違い、豊富な資料を駆使しての記述は説得力がある。

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この本の内容がすべて正しいと私は断言しない。しかし、テレビ・新聞などのように印象操作をしている報道とは違い、豊富な資料を駆使しての記述は説得力がある。

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レビューアー:名著を読むさん

昨今のテレビ・新聞などのマスコミ報道を聞いていると、その非論理性に辟易するばかりであるが、よく考えてみると、マスコミ報道にはたいへん大きな共通点がある。それは「国を思う」という視点がないことである。マスコミは国を貶めることが本来の使命だと思っているようだ。

マスコミという業界はまるで反日という幻想で縛られている伏魔殿のようだ。この伏魔殿の存在がたいへん悩ましいのは、公共電波を独占しているという巨大な権力を持っていることだ。私たち一般人は、反日というフィルターを通しての報道に否応なく接しなければならない。知らず知らず私たちの思考は毒されてくる。

その一つの例が沖縄のことである。沖縄で独立運動が起きるという報道に接して私は驚愕した。本当だろうかと思うと同時に、そもそも沖縄は独立国なのだろうかと疑問に思った。また、沖縄ではほとんどの人が米軍基地移転に反対しているようだが、本当なのだろうか。

マスコミの報道を信じると、沖縄は歴史的にも現在においても悲惨な状況にあるみたいだ。本当に米軍基地は沖縄に不利益だけをもたらしているのか。本当に日本政府は沖縄の苦しみをほったらかしているのか。まさに、沖縄は暗黒の地であるように、マスコミは報道している。

恥ずかしながら、私は真剣に沖縄の歴史も現在の状況も調べたことがない。私の沖縄の知識はマスコミ報道の域を超えない。

普天間から辺野古への移転に伴うマスコミ報道、並びに沖縄県知事の行動を聞くに及び、私は違和感を抱き続けた。そして、ついに、本当の沖縄の姿を知りたくなって、手に取ったのが、仲村覚の「沖縄はいつから日本なのか」である。

この本を読んでいる最中、私は驚愕の連続であった。とにかく、今まで接したことのない情報ばかりで、ほとんどマスコミでは報道されないものばかりである。沖縄の人たちが独立を望んでいるというのも全くのでたらめで、沖縄の人たちは自分たちは歴史的にも正真正銘の日本人だと思っている。

この本の内容がすべて正しいと私は断言しない。しかし、テレビ・新聞などのように印象操作をしている報道とは違い、豊富な資料を駆使しての記述は説得力がある。

圧巻なのは、沖縄学を樹立した伊波普猷(いはふゆう)の研究も引用して、言葉の面から沖縄は古来から日本であることを証明し、DNAの面からも沖縄の人たちが日本人であったことを証明している。

また、江戸時代、琉球は薩摩藩の管理下にあったが、実際は琉球は幕藩体制の下にありれっきとした薩摩藩同様の日本の領土であったことである。これらは、当時、琉球に来た欧米諸国が認めている。誰も中国の属国だとはいっていない。沖縄は明治になって正式に日本の領土になったということも全くのでたらめである。

この本が最も切実な問題として提起しているのは、沖縄独立問題は中国のプロパガンダだということである。中国は尖閣諸島だけでなく、ゆくゆくは沖縄まで中国の領土にしようという野心をもっている。このことはとりもなおさず、沖縄問題は日本国の主権に関する非常に重要な問題ということである。

尖閣諸島近海に毎日のように中国船が出没するのに、それを報道しないマスコミと、それに抗議しない沖縄県知事の姿勢に、私は首を傾げる。

「国を思う」ことと「国を愛する」ことはほぼ同義である。国を愛するイコール愛国者イコール軍国主義者という公式がマスコミ界には存在するらしい。マスコミにとって国を愛することは罪悪のようだ。

ところが、日本人のほとんどは国を愛している。昨日(2018年6月19日)のワールドカップで日本はコロンビアを破った。これに、沖縄の人たちを含めた日本人のほとんどが熱狂した。これは、日本人が国を愛しているからでないのか。
沖縄独立というデマがでたことを深刻に受け止めなければならない。

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