■海と空から中国・北朝鮮に狙われる沖縄海域
先日、人民解放軍の羅援少将が「尖閣諸島を演習地区に設定するべき」と発言した事をお伝えいたしましたが、中国の動きは間髪を置かずに演習を始めました。場所は、中国ガス田周辺です。
<中国 ガス田周辺で調査船演習>
(NHK 3月18日 19時26分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120318/k10013808451000.html16日、日本の尖閣諸島沖の領海内に一時侵入した中国の海洋調査船が、その後、東シナ海の日中中間線に隣接するガス田の周辺で演習を行ったとする写真を中国国営の新華社通信が18日、配信し、「中国がこの海域の管轄権を持つ」という独自の主張を内外に強くアピールするねらいがあるとみられます。
新華社通信などによりますと、中国の国家海洋局に所属する海洋調査船6隻が、17日、東シナ海の日中中間線に隣接するガス田「白樺」などの周辺で船隊を組み、ヘリコプターと合同で演習を行いました。
6隻の中には16日、日本の尖閣諸島沖の領海内に一時侵入した「海監50」が含まれ、新華社通信は「もう1隻の『海監66』と共に、尖閣諸島付近での任務を終えてガス田付近に到着し、パトロールを行った」として、18日午後写真を配信しました。
中国が16日の尖閣諸島付近での「海監50」などの活動を開始後異例の早さで発表したのに続き、演習の実施も写真付きで公表したのは「中国が尖閣諸島の領有権やこの海域の管轄権を持つ」という独自の主張を内外に強くアピールするねらいがあるとみられます。
中国のメディアでは、ガス田ではなく尖閣諸島近海を航行した海監50と海監66について報道しています。
<中国艦隊が釣魚島巡航を完了>
(「人民網日本語版」2012年3月18日)
http://j.people.com.cn/94474/7761046.html中国国家海洋局所属「中国海監」の巡航艦隊は17日、釣魚島(日本名・尖閣諸島魚釣島)とその付属島嶼付近の海域での権益保全・取締り任務を完了し、北東に位置する中国の東中国海ガス田海域へと航路を転じた。
釣魚島とその付属島嶼付近の海域における今回の権益保全巡航は、「中華人民共和国海島保護法」の施行と国家海洋局による釣魚島とその付属島嶼の標準名称の公布後、初となる定例巡航だ。中国海監の巡航艦隊は日本側の船舶や航空機による妨害を排除し、釣魚島とその付属島嶼に対する中国政府の主権と管轄権を示した。
中国海監にとって管轄海域での定期的な権益保全巡航、取締り任務の実施は長期的、日常的かつ重要な責務だ。中国海監はこれまで同様に国家の主権と海洋権益を守っていく。(編集NA)
この記事は、中国の国家意思を表す非常に重みのある内容となっています。「海島保護法」「尖閣諸島の標準名称」公布後の発の定例巡航だと述べ、日常的な責務であり、海監はこれまで同様国家主権と海洋権益をまもっていくと述べています。
尖閣諸島を奪い取る決意をしています。
この内容は、国家海洋局も公式ホームページで公開しています。国家の意思を感じます。
日本は、尖閣諸島、つまり日本の領土を守る意思が問われています。米軍に依存しすぎること無く、日本人だけでも日本の領土を守り切る決意が必要です。
<中国海洋監視船艦隊、魚釣島とその周辺の島嶼附近海域の巡航任務完了>
■テポドン発射は何故南向きか
沖縄の安全保障危機は海だけではありません。北朝鮮のミサイル発射が大きなニュースになっていますが、よりによっり中国が動き出したタイミングであり、かつ発射方向が南だというのです。つまり、沖縄上空を通過してフィリピンの東側海域に落ちる予定というのです。テポドンなら射程が長ければ、グアムも入ってしまいます。
私には、中国の尖閣諸島や東シナ海の主権を主張する活動とミサイル発射は連動しているように見えてしまいます。今回南向きに発射したのは、米軍に対する牽制だと思います。
中国の軍事戦略で最も重要なのは台湾の統一です。その台湾を武力統一するにあたって最も邪魔なのが沖縄に駐留する米軍です。
今回のミサイル発射は、その沖縄の米軍の揺動を北朝鮮にやってもらう算段のように見えるのです。
もはや、中国の尖閣問題と北朝鮮問題は別々の問題ではなくなりました。中国は謀略の国ですので、台湾統一を果たすために、北朝鮮カード、イランカードなどあらゆる手を撃ってくることが予想されます。
(仲村覚)