■中国国家海洋局、「海島保護法」を根拠に尖閣諸島附近71の島に命名
中国の尖閣諸島、沖繩海域の侵略は新たな段階に入ったように見えます。中国が抗議してくるのは、既に尖閣諸島近海だけではなくなっているからです。
<海保測量調査:中国「主権侵害」主張 沖縄・久米島周辺水域、海洋調査に抗議>
(毎日新聞 2012年3月4日 東京朝刊)
http://goo.gl/xAD6A【北京・成沢健一】中国国家海洋局の当局者は2日、日本の海上保安庁の測量船が沖縄県・久米島周辺の排他的経済水域(EEZ)で行っている海洋調査の中止を求めるとともに、東シナ海の監視を強化する方針を示した。「日本が(調査)活動をやめない場合には結果に対する責任を負うことになる」と警告している。国営新華社通信が伝えた。
当局者は「日本の動きは中国の主権を著しく侵害しており、国連海洋法条約と中国の関連法に違反する。中国政府の許可なく日本が一方的に調査することは容認できない」と指摘した。
日本政府は遅まきながら海洋国家として当たり前の事を進めています。
<日本政府、無名の全国39島に命名…尖閣の4島も>
(2012年3月3日22時03分 読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120303-OYT1T00718.htm
日本政府は日本の排他的経済水域(EEZ)の基点でありながらこれまで無名だった計39の島に名前を付け、2日付で公表した。
これに対し、中国政府も尖閣諸島(中国名・釣魚島)と付属する島々に中国名を付けて発表した。日本政府は3日、外交ルートを通じて「中国側の命名行為は決して受け入れられるものではない。強く抗議する」と申し入れた。
日本政府が名前を付けたのは、沖縄・尖閣諸島の久場島周辺の「北西小島ほくせいこじま」「北小島きたこじま」「北東小島ほくとうこじま」、大正島周辺の「北小島きたこじま」の4島を含む、北海道から沖縄県までの39の島だ。日本の海洋権益を確保する姿勢を内外に示す狙いがある。
政府は2009年、EEZの基点となる離島を安定的に管理・保全するとした基本方針を策定。対象となる全国99の島のうち、地図や海図に名称が記載されていなかった49島について命名作業を進めていた。
しかし、中国政府は日本政府の無人島への命名に対しては、本腰をいれた対抗措置を撮ってきています。
詳細についいては、人民日報日本語版が報道しています。
<外交部:日本側の釣魚島付属島嶼への命名に断固反対>
(「人民網日本語版」2012年3月3日)http://j.people.com.cn/94474/7746743.html
外交部の洪磊報道官は3日、日本側の釣魚島付属島嶼への命名について記者の質問に答えた。
記者:日本の内閣官房総合海洋政策本部は2日、無名の39島の名称を発表した。これには釣魚島の附属島も含まれる。これについて中国側の意見は?
洪磊報道官:釣魚島および付属島嶼は古来より中国固有の領土であり、中国は争うことのできない主権を有している。中国は日本側の釣魚島付属島嶼への命名に断固反対する。これらの島に対する日本側のいかなる一方的な措置も違法であり、無効だ。日本側が釣魚島の付属島嶼にいかなる名称をつけたとしても、これらの島が中国に帰属するという事実は変わることはない。釣魚島およびその付属島嶼の 標準的な名称を知りたい場合は、中国民政部と国家海洋局のウェブサイトをご参照いただきたい。(編集SN)
参考:国家海洋局ホームページ http://goo.gl/xBdOq
尖閣諸島に無人島が71もあるとは夢にも思いませんでした。
命名した 71の島のリストは、国家海洋局のホームページに掲載されています。
<中国国家海洋局ホームページ>
国家海洋局民政府、我が国の釣魚島及びその付属島嶼の標準名称の公布を許可
「中華人民共和国海島保護法」を根拠として国務院国家海洋局民生部は釣魚島及びその部分の付属島嶼の標準名称を次のように公布した。
http://goo.gl/xBdOq
産経新聞もこの件について報道しています。
<中国、尖閣71島命名 日本の名称公表に対抗>
(産経新聞 2012.3.4 07:45)
http://goo.gl/2veRG【北京=川越一】中国政府は3日、日本政府が沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の周辺を含む無人島に命名したことに対し、独自に71の島に命名する対抗措置に出た。中国外務省の洪磊報道官は同日、「釣魚島と付属の島は中国固有の領土で、中国は争いのない主権を有する」とする談話を発表。周辺海域の“波風”が一気に高まりそうだ。
中国側が根拠としているのは、2010年3月施行の「海島保護法」。中国領内に約7千島あるとされる離島の資源開発管理と生態系保護をうたうものだが、狙いは領有権をめぐり周辺各国との摩擦が絶えない南シナ海や東シナ海における海洋権益拡大とみられる。
中国国家海洋局がウェブサイトで発表したリストには、「釣魚島」「海豚島」「鳥巣島」といった名称に加え、中国本土や台湾からの距離、釣魚島からの距離や方角が記載されている。日本政府は2日、日本の排他的経済水域(EEZ)の基点でありながら名称がなかった39の離島に付けた名称を公表したが、対する中国側の命名数は71島と範囲も広げている。 同報道官は「日本側の一方的な措置は違法で無効だ。日本側がいかなる名称を付けても、これらの島が中国に帰属するという事実は変えられない」と強調。 国営新華社通信によると、日本の海上保安庁の測量船が沖縄・久米島沖の日本のEEZで実施している海洋調査も「国連海洋法条約と中国の関連法に違反する」と非難している。
今回の離島命名で、尖閣諸島が海島保護法に基づく保護対象とされることが明確になり、今後は同法の条項全てが適用されることになる。中国当局は、退役海軍艦船などを改造した漁業監視船や海軍艦艇による周辺海域の監視活動を強化し、日本を揺さぶる戦術に出ることが予想される。
中国政府は、海島保護法を根拠として71の島を命名したと主張しています。そして、尖閣諸島を明確に海島保護法の対象とした今、この法律に基づいて、様々な動きをしてくることが予想されます。日本政府は、この法律を熟読して中国の動きを事前に察知し、先手を打って日本の領土、了解を守らなければなりません。
日中の尖閣諸島を巡る対峙は、既に外交交渉の段階は過ぎ去っており、武力をもって対峙、交渉するべき時期にきていると言えます。
日本は、日本の法律にしたがって武力を行使しなければ、日本の領土も国民の生命と安全を守ることができない状況におかれている事を知らなければなりません。
(仲村覚)
<中華人民共和国海島保護法>
http://big5.gov.cn/gate/big5/www.gov.cn/flfg/2009-12/26/content_1497461.htm