沖縄対策本部長■陸上自衛隊、中国軍の海上からの攻撃を想定し奄美大島で地対艦ミサイル訓練

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11月10日~18日の間、陸上自衛隊西部方面隊の実働演習が実施されています。

北海道にしか配備されていなかった最新型の90式戦車を陸路と海路の両方から大分に運搬しました。

これは、南西諸島の防衛強化を謳った新防衛大綱を具体化したものといえます。

この演習と並行して陸上、海上、航空の統合訓練が14日から18日の間実施されています。

両方共、新防衛大綱を具体化した演習です。

統合演習では、陸海空の一体運用された訓練が行われます。

海上自衛隊の艦船で陸上自衛隊の武器、車輌などの装備を運搬の訓練も行われています。

(輸送艦「くにさき」に乗り込む陸上自衛隊の化学防護車=10日、広島県呉市 撮影・徳原麗奈)

そのような中、最も注目を浴びているのは奄美大島で行われた地対艦ミサイルの訓練です。

この訓練は自衛隊の駐屯地ではなく、一般の公園に展開されて行われました。

今までにない、実践的な訓練です。

関連ニュース4本を掲載いたしました。

この訓練は、日本にとって、そして沖縄県民にとってどのような事を意味しているのか、是非じっくり考えてみてください。

(仲村覚)


離島防衛訓練始まる…自衛隊統合演習の準備も

<読売新聞(2011年11月10日17時59分))
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111110-OYT1T00804.htm


(民間フェリーに積み込まれる88式地対艦誘導弾発射機(10日午前、鹿児島新港で)=浦上太介撮影)

離島防衛を想定し、北海道の部隊も初参加する陸上自衛隊の大規模訓練が10日、九州各地の演習場で始まった。

陸自、海自、空自が九州・沖縄を中心に14~18日に実施する自衛隊統合演習の準備も10日、鹿児島県で始まり、昨年12月に南西方面重視を打ち出した新たな防衛大綱に基づく動きが具体化してきた。

陸自の大規模訓練では、午前9時過ぎ、第8師団(熊本市)の隊員約340人と輸送トラックなど約110両が、鹿児島県志布志市の志布志港から民間フェリーに乗り込んだ。同日午後、大分県別府市の別府港に着き、同県の日出生台(ひじゅうだい)演習場(由布市など)に向かう。防御準備を整えるための陣地構築に取り組む。

同演習場では北海道千歳市の第7師団が初めて加わり、90式戦車などを使った訓練を行う。

統合演習では、陸自第5地対艦ミサイル連隊(熊本市)の88式地対艦誘導弾発射機など車両計約120両が10日午前、鹿児島市の鹿児島新港で民間フェリーに積み込まれた。深夜に鹿児島県・奄美大島に入る。

<離島防衛想定、奄美大島で演習(TBSニュース)>

自衛隊は日本の南西地域の離島が武力攻撃を受けた事態を想定して鹿児島県の奄美大島で演習を実施しました。

中国軍が日本の周辺海域での活動を活発化させる中、九州や沖縄などでの防衛体制を強化する狙いがあります。

演習は地帯艦ミサイルを熊本県内の自衛隊の基地から民間のフェリーで輸送し、自衛隊の演習場ではなく一般の公園に展開するという実践的な形で行われました。

海上からの攻撃想定し訓練 自衛隊、奄美で
<asahi.com (2011年11月12日17時36分>)

http://www.asahi.com/national/update/1112/SEB201111120005.html
鹿児島県の奄美大島で12日、自衛隊が海上からの攻撃を想定した訓練を行った。南西諸島の防衛力強化をうたった国の新防衛大綱を踏まえ、初めて離島での武力攻撃を想定した演習をした。
太平洋につながる湾に面した奄美市住用町の内海(うちうみ)公園では、第5地対艦ミサイル連隊(熊本市)の隊員約40人が、射程が百数十キロある発射装置を搭載した車両2台を設置する訓練をした。14~18日に九州から南西諸島の各地を中心に全国規模で行われる自衛隊統合演習を前に、報道陣に訓練を公開した。
奄美大島の名瀬港には10日夜、鹿児島市からチャーターした民間フェリーで隊員約320人と、車両約120台が到着。島では陸海空合わせて約470人、車両160両の態勢で訓練する。指揮官を務めた水越洋光中隊長は「時、場所を問わずに任務を遂行する必要があるので貴重な経験になった」と話した。

(海上からの攻撃を想定し、地対艦ミサイルを設営する隊員ら=12日午前10時17分、鹿児島県奄美市住用町)

奄美でミサイル訓練、陸自が離島防衛演習前に
<読売新聞 2011年11月12日)>
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20111112-OYS1T00522.htm
離島防衛を想定し、九州・沖縄を中心に14~18日に実施される自衛隊統合演習を前に、陸上自衛隊第5地対艦ミサイル連隊(熊本市)が12日、演習地の鹿児島県・奄美大島で洋上の他国艦艇に対処する訓練を報道陣に公開した。

訓練は午前10時に始まり、88式地対艦誘導弾発射機など車両約20両と隊員約40人が参加。奄美市住用町の海岸沿いにある公園に展開し、発射台を上げて発射準備を整えるまでの手順を確認した。

今回の演習は、南西方面重視を打ち出した新たな防衛大綱を受け、島嶼とうしょ部で初めて他国からの武力攻撃を想定。隊員約3万5000人のほか、車両約1300両と艦艇6隻、航空機約180機が参加する。