■フィールド在日米軍司令官講演&質疑
10月2日の産経新聞で米国防費の大幅削減を報じています。
この報道では、東アジアの中国、北朝鮮に対する抑止力の低下をもたらしかねない内容となっています。
今回のフィールド在日米軍司令官のレクチャーはこの不安を払拭するものです。
<米国防費1000億ドル削減で、抑止力が低下>
(産経新聞 2011.10.2 19:39)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111002/amr11100219410006-n1.htm
この記者会見に関する4社の報道も掲載しておきます。
4社それぞれ異なる見出しで報道する部分も異なっています。
会社の関心部分、報道姿勢がよくわかる珍しい事例だと思います。
長い動画ですが、日本の安全保障の根幹に関する内容ですので、自分の耳でお聞き下さい。
(仲村覚)
<バートン・フィールド 在日米軍司令官 2011.11.14>
<日本記者クラブ>
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/11/r00023489/
日時:2011年11月14日 12:00~ 14:00
在日米軍司令官 バートン・フィールド
10階ホール
氏名 バートン・フィールド Name Burton M. Field
国 アメリカ Nation USA
肩書 在日米軍司令官 Title Commander of United States Forces, Japan and Fifth Air Force
フィールド在日米軍司令官・第五空軍司令官が昼食会で、東日本大震災支援のトモダチ作戦や普天間問題などについて語った。
フィールド司令官は、トモダチ作戦について、全体がひとつの目的に向かい規律のとれた一体的な作戦だった、と評価した。地域に対し、日本が米国にとっていかに大事であるか、また在日米軍がいかに迅速に救援できたか、について明確なメッセージを示した、とも述べた。海兵隊が沖縄に駐留する理由を聞かれ、米軍の軍事力と抑止力は4軍すべての統合に依存しており、海兵隊は戦闘だけでなく指揮・統制、人道支援に高い能力を持っていると説明した。中国の軍事力、日本の防衛大綱、サイバー攻撃への防御などの質問にも答えた。
司会 日本記者クラブ理事 河野俊史(毎日新聞)
代表質問 日本記者クラブ企画委員 高畑昭男(産経新聞)
通訳 西村好美(サイマルインターナショナル)
在日米軍のホームページ
<在日米軍司令官 日本への関与続く>
(NHKニュース 11月14日 22時8分)http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111114/t10013960571000.html
在日アメリカ軍のトップ、フィールド司令官は、国防予算が今後、大幅に削減されるなかでも、アメリカ軍は日本への関与を続け、中でも沖縄を拠点とする海兵隊は、引き続きアジア太平洋地域の安定に大きな役割を果たしていくとの考えを強調しました。
アメリカは、今後10年間で4500億ドル(日本円にしておよそ35兆円)の国防費の大幅な削減が決まっており、アメリカ軍が日本など海外に展開させている兵力への影響を指摘する声も出ています。これについて、在日アメリカ軍のフィールド司令官は、14日、都内で行った記者会見で「予算の問題を抱えているなかでも、アメリカ軍はアジア太平洋地域にとどまり、日本などへの関与を続けていく」と強調しました。そのうえで、日米両政府の合意によって一部が沖縄からグアムに移ることになっている海兵隊について「日本はアジアの中で地理的にも非常に重要で、海兵隊は今後も沖縄に残る」と述べ、沖縄を拠点とする海兵隊が、引き続き日本の防衛やアジア太平洋地域の安定に大きな役割を果たしていくとの考えを示しました。フィールド司令官はさらに、日本に兵力を配置し続ける理由の1つとして、中国による急速な軍事力の増強を挙げ、今後も日本を重要なパートナーとして、アジア太平洋地域の情勢に対応していく方針を示しました。
<サイバー攻撃対策で協力 在日米軍司令官 >
(日本経済新聞 2011/11/14 20:09)https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1402K_U1A111C1FF1000/?at=ALL
在日米軍のフィールド司令官(中将)は14日、日本記者クラブで講演し、サイバー攻撃が頻繁に発生している現状を「懸念している。防衛省や自衛隊と協力策について話し合っている」と語った。米軍がネットワーク空間専門の部隊「サイバーコマンド」を設けたことに触れ、米軍の組織体制や手法について日本と情報を共有したいとの考えを示した。
日本政府が選定中の次期主力戦闘機(FX)に関しては「米国製を購入してほしい」と述べた。
<尖閣、最善は平和解決=対中関係好転に期待-在日米軍司令官>
(時事通信 2011/11/14-17:56)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011111400671フィールド在日米軍司令官は14日、都内の日本記者クラブで記者会見し、尖閣諸島について日米安全保障条約の適用対象とする従来の立場を確認しつつも、「最善の方法は平和解決であり、必ず収束の道を見つけられる。軍事力行使よりもよほど良い解決策だ」と述べ、今後の日中関係改善に期待を示した。
また、中国の軍拡継続を認めながらも、「だからと言って中国を脅威とみなそうとする議論を続けることには抵抗がある」と語った。中国と国際社会が協力できる分野は経済に限らず幅広いと指摘し、「中国の動機は何か、正確に見極めることにエネルギーを注いだ方がいい」と警戒と同時に慎重な分析を心掛けるよう呼び掛けた。
その上で、中国が「世界の舞台で責任を担う」ことを期待し続けていると述べた。
米国では今後も国防予算削減が予想されるが、フィールド司令官は「アジア太平洋地域への関与はこれまで同様、強力だ。地域そして日本への関与を全力で維持する」と強調した。
<在日米司令官「抑止力は四軍全て」 在沖海兵隊の根拠示さず>
(琉球新報 2011年11月15日)
https://ryukyushimpo.jp/news/prentry-184080.html【東京】フィールド在日米軍司令官(第5空軍司令官)が14日、日本記者クラブで講演し、政府が普天間飛行場の県内移設の根拠としている在沖縄海兵隊の抑止力について、「軍事力や抑止力とは、四軍全てに依存している」と述べ、陸海空を加えた日本駐留の米四軍全体で構成されるものだと説明した。海兵隊の駐留拠点を沖縄に限定する根拠については示さなかった。
「海兵隊の沖縄駐留がなぜ必要不可欠かを国民に説明してほしい」との質問に答えたもので、フィールド司令官は「アジアの地図を見れば素人でも、日本が地域全体に大事な国であるかは見て取れる」などと指摘した。
その上で「米軍のコミットメント(約束)、日本の防衛という場合、海兵隊もそのプレゼンス(存在感)や抑止力の一部だ。あるいは自衛隊とさまざまな連携をする中でその一部をなしている」と解説した。
司令官は普天間移設や在沖海兵隊部隊のグアム移転を定めた在日米軍の再編合意に関し、「計画を実現する中で沖縄から徐々に海兵隊を移すが、日本との関係は重要であるため、海兵隊の一部はその後も沖縄に残り続ける」とも語った。