■国際情勢を左右する2012年の重大イベント
年の瀬が迫って来ましたが、金正日の死亡により今回の年末年始は心を休めるどころでは無くなりそうです。
おそらく、米軍も自衛隊も、そして警察も年末年始は特別警戒態勢がつづくのではないかと思います。
さて、2012年を迎えるにあたり来年がどのような重大イベントがあるのかを確認してみたいと思います。
下記に一覧でまとめました。
これだけ、世界の大国のリーダーが変わる年なので2012年は、まさにこれからの10年の世界の流れが決まる年だといっても過言ではないと思います。
■米中冷戦下の中の指導者交代
また、時代背景として抑えておきたい事は、2011年末に米中冷戦が始まったという事です。親中路線で始まったオバマ政権は2011年の末には明確に中国敵視政策を始めたという事です。このような中で、来年は米国は大統領選挙、中国は指導者交代の年を迎えるのです。
特に、一党独裁政権国家の中国や北朝鮮は中央の党大会などは、国威発揚、権力の正当性を示す最も重要な大会です。党の全ての活動はこの共産党党大会や記念日に向けて遂行されます。
具体的には、2012年は、中華人民共和国の「第18回中国共産党党大会」が秋に開催される予定であり、北朝鮮は4月15日に「強盛大国」をスローガンとした「金日成生誕100周年記念大会」が開催されます。これらの大会に向けての動きが最も有事に繋がる可能性が高いと私は見ています。
■北朝鮮有事は2012年4月15日以前の勃発の可能性が大
さて、独裁者金正日が死亡した北朝鮮ですが、来年4月15日に「金日成生誕100周年記念大会」が開催されます。この大会は後継者の金正恩の指導者としての地位を固める最も重要なイベントです。この大会は強盛大国の大門を開く年として開催されますが、金正日の死亡でも喪に服して縮小する事無く1%も違えずに慣行すると報道されています。また先軍政治も従来どおり継続すると発表されています。
つまり、金正恩にとって4月15日には何らかの手柄をつくる必要性があります。という事は、北朝鮮が有事を起こす可能性は、4月15日以前が高いという事です。
■台湾有事の可能性は総統選直後から秋の党大会までの間
中国の台湾統一の戦略は「暴かれた中国の極秘戦略」という書籍に詳細が明かされています。その書籍によると中華人民共和国にとって2012年は非常に重要な年です。何故なら2012年の党大会までに台湾統一を実現しなければならないからです。
この目標は小平の遺言であり、それを引き継いだ胡錦濤が軍事力拡大と様々な工作を着々と続けてきたのです。
中国がどのような統一方法を取るかは総統選の結果により複数のシナリオが用意されています。
を御覧ください。
最も早い場合は総統選挙で民進党が勝利した直後に電撃的に武力統一し、国民党が勝利した場合でも平和統一協定を受け入れ、中華民国憲法や国号を廃止しない限り「反国家分裂法」に基づき武力統一を行うシナリオになっています。平和統一協定は国民党政権といえども受け入れがたい内容になっていますので実施的に台湾統一のシナリオは武力統一しかありえません。
よって台湾有事は早ければ総統選挙直後、遅くても秋の党大会まで起きる可能性が高いということになります。
■台湾有事と朝鮮半島有事の関係
では、台湾有事と朝鮮半島有事は無関係に動くのでしょうか?それとも何らかの連動があるのでしょうか?
実は北朝鮮の経済、軍事力の後ろ盾になっているのは中国ですので、両方とも中国人民解放軍が関係しているのです。北朝鮮の動き方は単独の判断で動くのではなくある程度人民解放軍の意向を伺いながら動くものと思われます。つまり、中国にとって朝鮮有事もひとつの重要な戦局ではありますが、大きな戦略としては台湾統一のためのひとつのカードとして利用する可能性があるのではないかと思います。
可能性として考えられるのは、台湾を武力統一を実施したい場合、それに合わせて朝鮮有事を勃発させるということです。
米軍も自衛隊も朝鮮半島に多くの勢力を割かれるので、その間に手薄となった台湾を武力統一をかけるということです。
また、更にイランでも同時に有事が発生した場合は、米軍は2面同時作戦する予算が無いのでかなり厳しい情勢になると思います。
■台湾有事&朝鮮有事と沖縄の関係
台湾有事と朝鮮有事において謀略戦で最も関係が深いのが沖縄です。
米軍は、台湾も北朝鮮も睨むことのできる沖縄に実働部隊の多くを駐留させています。
<沖縄から見た台湾・平壌の位置>
ということは、中国にとっても北朝鮮にとっても沖縄に駐留する米軍は最も邪魔な存在だということです。
沖縄では祖国復帰前から中国共産党が反米・反基地運動を扇動し続けてきました。
最近では、中国海軍の軍拡、中国調査船などの尖閣諸島領有海域への領海侵犯の回数が増えるのと比例して沖縄の米軍基地反対の世論が盛り上がっています。これは普通の感覚ではありえない事です。
このように沖縄では、軍事同盟国の軍隊の駐留に反対し、非同盟国の軍隊の領海侵犯に対しては脅威を感じない世論が工作により創りだされているのです。
これから、朝鮮有事や台湾有事を起きるという事は、間違いなく沖縄は反米・反基地運動が扇動され活性化していくはずです。
何故なら、中国や北朝鮮は沖縄の工作次第では、日米同盟を破棄させたり、日米関係を悪化させ共同作戦行動を行えなくなくする事が可能だからです。彼らにとって、日米同盟を破棄、もしくは沖縄の駐留軍を撤退させる事に成功すれば、一発の鉄砲の弾を使わずに戦争に勝利したに等しいわけです。
つまり、沖縄の反米扇動工作はいくらお金をつぎ込んでも、エネルギーをつぎ込んでも惜しくない、万金に値する最も効率的な戦い方なのです。
■2012年は全国の力を結集して沖縄の反米工作と戦い勝利を!
このように沖縄は、銃弾を使わない間接戦争の決戦場でもあります。
そして来年は、日中国交回復40周年の年です。日中国交回復40周年を迎える中国は反米工作に加えて親中工作も繰り広げることは確実です。
中国は日本人の「親中感情」をつくりあげるために、自分の手を汚すわけにはいきません。そのため、北朝鮮を徹底的に利用する事が考えられます。
例えば、裏では北朝鮮をコントロールまたは協力してミサイルを発射させたり米韓日の軍艦を撃沈させたりしながら、外交の場では北朝鮮に対する遺憾の意や非難を表明したりし、「北朝鮮の平和的解決は日中共同の利益」とか「日中共同で北朝鮮との対話の場を持ちましょう!」とか日本の味方を装い親日感情を誘導する可能性があります。
場合によっては、北朝鮮に日本に実弾を撃ちこませる危険性さえあります。
北朝鮮を日中共通の敵のように見せ、日中軍事同盟が実現するかのようなふりをしてくるわけです。一方、沖縄では反米運動を徹底的に扇動し、日米同盟を破綻にもっていくわけです。
もし、日中軍事同盟ができたら、沖縄や九州に人民解放軍が日本防衛を口実に上陸してきて、知らない間に日本が占領される事になります。
このような事を避けるためにも、沖縄の反米闘争は日本最大の戦争であり、日本防衛の決戦といえます。
2012年は、全国の力を結集して沖縄の反米工作と戦い、勝利しなければなりません。
(仲村覚)