■唐淳風の沖縄歴史捏造手法を暴く
琉球人民反抗闘争史年表
■唐淳風が発表した「琉球人民反抗闘争史」
鳳凰網のブログサイトに「1945-2007琉球人民反抗闘争史年表」というのが掲載されています。
敗戦した1945年から2007年までの沖縄での反米・反日闘争史の年表として詳細に記述した非常に長い文章です。
<琉球人民反抗闘争史年表が記載された鳳凰網のサイト>
この情報がガセネタと言われないように、情報源を先に示しておきます。
この記事を書いたのは、唐淳風という人です。単なる民間人ではなく、日本の中国大使館でも勤務した事のある人物で、現在の役職は「中華人民共和国商務部研究院研究員日本問題専門家」です。
また、この記事を掲載したサイトも2ちゃんねるなどではなく、大手のメディア会社です。
■唐淳風の沖縄戦後史捏造手法
さて、是非、問題の年表を目を通していただきたいのですが、驚くほど沖縄の出来事が細かく掲載されています。沖縄県民でもここまで戦後史を把握している人はいないといっても間違いはないと思います。
しかし、沖縄に滞在した事の無い唐淳風がここまでわかるはずはありません。彼は以前、ネットの写真を勝手に利用して琉球独立運動だとして捏造した事のある人物なので、同様の情報もネットにある可能性があります。
そこで、探してみるとパクリ元の情報源と見て間違いの無いサイトがありました。
「沖縄県祖国復帰闘争史年表」です。
このホームページで記載されている「祖国復帰闘争」とは、実は共産主義者の活動です。
「復帰運動」ではなく、左翼活動家が使う「闘争」という言葉を使った「復帰闘争」である事にご注目いただきたいと思います。
唐淳風は、このサイトの情報をパックって中国語に訳し、情報を加えたり省いたりして「琉球人民反抗闘争史年表」を作ったと思われます。沖縄県民の祖国復帰闘争の歴史が彼の手により、「琉球人民反抗闘争」として中国に紹介されたわけです。
具体的にどのようにパクったのか確認してみたいと思います。1953年11月9日から1954年2月20日まで年表を使って確認してみたいと思います。
<沖縄県祖国復帰闘争史年表(1953年11月9日~1954年2月20日)>
上の2つの年表を比較してみてください。
まず、上と下の年表で日付が同じところを見比べてみてください。中国語のわからない方でも漢字をみれば全く同じ内容である事がわかると思います。
■沖縄の祖国復帰運動の祖国は中国だった!
しかし、驚くような修正をいれています。
それは、「祖国」という文言の後に必ず、「(中国)」という文言を追加し、「祖国(中国)」に修正しているのです。沖縄で戦後始まった祖国復帰運動の祖国は中国だったという事になっているのです。
唐淳風は、沖縄の歴史年表に事細かにかかれている沖縄県民の運動は、「日米政府の圧政から脱出するための反日、反米の琉球独立運動」であり、それは「祖国中国に戻る」事であるとして発表したのです。
つまり、今、中国メディアでは、今、現在でも「沖縄県民は祖国中国に復帰したがっている」との捏造報道がなされているということなのです。
■沖縄祖国復帰運動は日本共産革命闘争だった
そこで、ひとつ疑問が出てきます。
何故、沖縄祖国復帰闘争史の年表の祖国のあとに「(中国)」と追加するだけで、中国国内で「沖縄の反米・反日の独立運動」として通用する内容になるのでしょうか?
復帰前、沖縄の祖国復帰運動に参加している沖縄県民にとっての祖国とは明らかに日本の事でした。しかし、復帰運動をリードしていたのは、実は、自民党などの保守政党ではなく、沖縄人民党(後の共産党)や社会党などの革新政党や共産主義系の組合でした。
上の年表にその事がうかがえる内容がいくつかあります。
1.11 オグデン民政副長官「復帰運動は共産主義者を慰めるだけ」と声明
2.20 プラムり一首席民政官、復帰期成会(教職員会)会長宛に書簡をおくり、「復帰運動は共産主義者を利するのみ、教職員は児童生徒の教育に専念せよ」と警告(反共攻撃強まる。)
4.24 米民政府「メーデーはマルクス誕生の日で、共産主義者が指導、非共産主義者は参加しないよう」勧告声明。
米国民政府の声明などをみれば、沖縄の復帰運動は、共産革命運動であった事がわかると思います。
沖縄祖国復帰運動をリードした人たちは、祖国という言葉を使い、多くの県民を扇動しました。しかし、自らは祖国日本を愛する心は皆無どころか、もしかしたら、共産主義国家の中国を理想の国と愛し、信じながら、復帰闘争を展開していたかもしれないのです。
しかし、ほとんどの沖縄県民は、この事を知らず、「祖国復帰」という純粋な思いで運動に参加し、洗脳され騙されていったのです。
そういう意味で、悔しいことに唐淳風の「沖縄県民は中国を祖国として復帰運動をしていた」という捏造記事も100%捏造とは言えないのではいかと思います。
■沖縄の反米・反日運動とは何か?
日本の安全保障最前線の沖縄で常時繰り広げられている、反米・反日運動は、防衛の大きな手枷足枷となっています。
では、沖縄の反米・反日運動とはいったい何なのでしょうか?
これまでの内容を踏まえて結論を述べると、「沖縄の反米・反日運動とは、第三国の指示を受けた日本の共産革命運動である」とういう事になります。
しかし、安保闘争のようにいきなり日本全体を共産革命するのではなく、第一弾として沖縄だけを奪いに来ます。
沖縄の反米・反日運動は、沖縄では日常的に行われています。それは、地元のメディアの言葉を使って言うとあくまでも平和運動です。沖縄の子孫に二度と沖縄戦のような悲惨な体験をさせないための平和運動が反米・反日運動として行われているのです。
しかし、どれだけ純粋な思いで反米・反日運動をやったとしてもそれは、中国では「沖縄の反米・反日運動は琉球独立運動であり、琉球の中国復帰運動である。」という事になるのです。
つまり、教科書検定で軍命の記述を求める運動をしたり、普天間基地の撤去や新型航空機のオスプレイの配備に反対したりするのも結果としては、中国にとっては沖縄県民が琉球独立運動をしている事になるのです。
■反米・反日運動は、人民解放軍を沖縄へ呼び寄せる
唐淳風は、「中国は琉球人民の独立運動を支援するべきだ」といっています。
何故なら「琉球人民は中華民族の同胞であり、祖国中国を守るために餓死しようとも沖縄から米軍を追いだそうと戦っている」「このような琉球人民に対して、中国社会が支持しないなら琉球人民に合わす顔が無い!」このような事を中国のメディアで発信しています。これは、人民解放軍を沖縄へ派遣する大義名分をつくっているのです。
つまり、沖縄での平和運動(反日・反米運動)は、中国にとっては琉球独立運動なのです。
沖縄で平和運動を盛り上げ、米軍も自衛隊もいない沖縄を実現し、同胞の琉球人民の独立を支援し、中華琉球特別自治区を設立し、琉球臨時政府を樹立させ、国連の承認も取り、日本の安全保障の要の沖縄を完全に支配権に入れるというのが彼らのシナリオです。
<唐淳風:中国は琉球独立を支持するべき>
以前に私のブログで日本語に訳していますので、お時間のある方は是非御覧ください。