■台湾、香港、中国の保釣運動3団体の公式サイトに掲載された出航情報
6月15日に出航準備完了という情報を報告を掲載して以来、全く音信がなかった中華保釣協会が、今朝、尖閣近海に姿を表しました。姿を表したのは1隻のみです。そして、この出航に関する情報は、台湾、香港、中国の保釣運動3団体の公式サイトに掲載されていました。
今年4月10日華人連盟の尖閣への出航は中止になったと報道されましたが(私はその根拠は薄いと発信しておりました)、この共同通信の報道は誤りだという結論が出ました。中止の根拠が薄いと判断した最も大きな理由は、どの保釣団体の公式サイトにも中止の報告が掲載されていなかったからです。
<■疑問の多い共同通信の「華人連盟6月出航中止」報道(4月19日)>
https://www.okinawa-seisaku.org/archives/2058
海外のニュースに関しては、情報が操作されても日本人には全くわからないので、裏付けを取る習慣をつける事が必要だと思います。
台湾のサイトだけは、この記事を閲覧するには、ユーザーIDとパスワードが必要でありセキュリティー対策がされていました。
その文章を翻訳してみました。
<中国民間保釣協会>
http://www.cfdd.org.cn/bbs/viewthread.php?tid=75276(リンク切れ)
<香港保釣論壇>
http://forum.diaoyuislands.org/viewtopic.php?t=2820
投稿:2011年6月29日(水曜日)0:18
件名:世界華人保釣連盟成立以来発遠征
世界華人保釣連盟が成立以来始めて魚釣島(尖閣諸島)へ初遠征しました。
世界華人保釣連盟は、2011年6月29日(水曜日)午前0:18台北を出港し、尖閣諸島の主権を主張して出航しました。
今回の出航は、黄錫林会長が部隊を率います。これは、世界華人保釣連盟が成立以来始めて魚釣島(尖閣諸島)へ初遠征です。今後、当会のメディア部門は、魚釣台(尖閣諸島)の保釣活動を連続して報告します。黄錫林会長が隊を率いて、世界華人保釣連盟理事殷畢雄参与が同船しています。前進する中で海上の風波はとても大きい。今回、保釣活動の為に出航する港は、”茎坊漁港”、船は、”大発268”、北京時間2010年6月28日22次出発 乗員:黄錫林、殷必雄
(転載終わり)
乗船しているのは、中華保釣協会秘書長兼世界華人保釣連盟会長の黄錫林と同参与の殷畢雄の二人と書かれています。しかし、11時15分のニュースでは、少なくても5人乗っていたとの事です。
■ついに動き出した世界華人保釣連盟
世界華人保釣連盟は、沖縄返還協定調印40周年の今年を尖閣問題を解決させる年と位置づけ、1000隻で大挙して尖閣諸島へやってくると大きな花火を打ち上げていました。その時期は、調印日の6月17日頃ではないかと思われていました。
6月15日には、中華保釣り協会の公式サイトには、「出航準備完了」との報告が写真入りで報告されていました。
しかし、日本の海上保安庁及び海上自衛隊の厳重な警戒に阻止されたのか、17日には全く動きがなく、その後も全く動きがありませんでした。
また、動きだけではなく、彼らのサイトでも何の音信もなく沈黙を保っていました。しかし、本日沈黙を破り動き出しました。
■継続的に活動の可能性を感じさせる三つのポイント
今回の動きで気になる点が3点あります。
一点目は、今回の漁船大発268号は、これまでの出航準備では報告されていない船だということです。
新しく購入したウォータジェットエンジン付きのクルーザーや古い大型の漁船の行方はまだわかりません。これらの船はまだどこで待機している可能性があるということです。
2点目は、香港の団体のサイトに記載されていた 「今後、当会のメディア部門は、魚釣台(尖閣諸島)の保釣活動を連続して報告します。」という文言です。これは、1回のみでなく、継続的に行動を行うと読み取れます。
3点目は、明日明後日(7月1日)が中国共産党の立党90周年記念日ということです。
今回出航したのは、台湾の団体ですので、関係ないような気もしますが、香港・中国両方の保釣運動団体のサイトにも掲載されていたので、完全に無関係とは言えないようです。
今後とも引き続き警戒が必要ですが、特に明日明後日(7月1日)が要注意だと思います。
(仲村覚)