JSN■「尖閣周辺で日米共同軍事演習を」民主党の長島前防衛政務官ら43人が「建白書」

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JSN■「尖閣周辺で日米共同軍事演習を」民主党の長島前防衛政務官ら43人が「建白書」

■国民運動の神髄

政権を批判して世論が味方に付けば政治情勢が変わることもある。最終的には、民主党政権を解散総選挙に追い込んで保守政権を立てる。これが目指すべき理想形でもある。しかしその声が国政に届かず国論を動かすほどの力にならなければ、正当な批判も何の力も持たない無力なものである。ましてや、今回の「中国船尖閣領海侵犯事件」のような緊急を要する場合、解散総選挙に追い込む時間的な余裕は、まったく残されていない。

【国民運動の神髄】とは、「急務の国情の際」にも、「どんな政権下」にあっても実際に政治を動かし真の理想形に一歩でも近づけることである。

少し、情勢を分析するなら、
「今の国際情勢」…中国の対日強行姿勢に耐えられない菅内閣
「政治的な力関係」…民主党内から保守派の声が上がってきた
「政権内の味方はだれか」…同じ主張の政治家への働きかける

今取るべき選択は、単なる批判でななく民主党政権内の保守派議員を支持し、その力で国政を動かすことである。もちろん、それでベストな結果が生まれるとは言わない。しかし大筋で賛同出来れば、その力に加勢して政府を動かす実をあげることだ。

ようやく民主党内の保守派が声を挙げた。この力を応援し国政を動かすことが今の国民運動としての最大の実を取る方策であると信じる。

(ささき)
※携帯の方、少し長いのでご容赦。PCブログより後でご覧ください。


■【中国人船長釈放】「尖閣周辺で日米共同軍事演習を」 
民主党の長島前防衛政務官ら43人が「建白書」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100927/stt1009272233006-n1.htm
(産経新聞2010.9.27)

民主党の長島昭久前防衛政務官らは27日、国会内で記者会見し、沖縄・尖閣諸島周辺での中国漁船衝突事件で中国人船長が釈放された問題を受け、尖閣諸島の私有地の国有化や警戒監視レーダーの設置、尖閣周辺での日米共同軍事演習などを政府に求める「建白書」を発表した。同党の中堅・若手の国会議員有志43人が賛同した。会見に先立ち、長島氏らは「建白書」を仙谷由人官房長官に提出した。

建白書の全文と、43人の顔ぶれは以下の通り。


内閣総理大臣 菅直人殿

今般の沖縄県尖閣諸島沖で勃発した中国漁船衝突事案をめぐる政府の対応措置に対する見解および政府として今後取り組むべき緊急の課題につき、添付の「建白書」をもって提言させていただきます。

「菅政権への建白書-国益の旗を堂々と掲げ、戦略的外交へ舵を切れ」

民主党衆参国会議員有志
平成22年9月27日

1.はじめに
沖縄県尖閣諸島沖で起こった中国漁船衝突事案をめぐる今回の結末は、日清戦争後の三国干渉に匹敵する国難である。日本国の政治家、いや、日本国民として、まさに痛恨の極みである。しかし、同時に、すべての責めを現政権にのみ帰することもできないと考える。すなわち、台頭する中国への戦略的な対応を怠り、我が国領土への理不尽な挑戦を拒否する断固たる姿勢を欠いたこれまでの日本政治そのものが招いた危機であったといわざるを得ない。

したがって、私たちは単なる現政権批判には与しない。もちろん、国民の間に「弱腰」「屈従」という非難が巻き起こっていることも認識している。同時に、その苦渋の決断に至るまでには、政府でなければ知り得ない判断材料があったことも想像に難くない。にもかかわらず、今回政府が危機回避を企図して行った一連の措置は、少なくとも3つ意味で将来に禍根を残すものであったとの深刻な憂慮を禁じ得ない。

2.事案解決における3つの憂慮
第一に、あくまでも法と証拠に基づいて粛々と法執行を貫徹すべき検察が、「今後の日中関係」という高度な政治判断を行うなどということは、本来あってはならないことである。従って、政治的な意志決定なしに行政機関たる検察が独断で判断したと信じている国民は殆(ほとん)どおらず、総理はじめ閣僚が「検察の判断」と繰り返すことは却って責任転嫁との批判を免れない。このように中国からの圧力によって国内法秩序が歪められてしまったことは、今後、類似の事案における法執行に悪影響を与えるおそれがある。

第二に、今回のような事案の解決には、短期的な危機回避とともに、中長期的な東シナ海の海洋秩序づくりという視点が必要であったが、その点でも政府の意識は希薄であったといわざるを得ない。不透明な決着は、結果として、日本の尖閣領有という歴史的事実を真っ向から否定する中国政府の主張を明確に拒否できなかったと取られかねない。延いては、将来的な域内秩序の形成における我が国の役割に暗い影を落とすことになった。とくに、近年南シナ海で中国の圧迫を受けてきたASEAN諸国は、今回の日本の対応を注視していたであろうから、この結末に大いなる失望を抱いているに違いない。

第三に、この2週間余りの海外メディアによる報道ぶりを振り返ったとき、とくに国際世論に対し、我が国の領有権主張と国内法秩序をめぐる一連の措置の正当性を理解してもらうべきであったが、確かな支持を獲得するためのパブリック・ディプロマシーの努力が決定的に欠如していたことは甚だ遺憾である。

3.今後の課題
今回の結末は、我が国の国力の実態と対中戦略の欠如という現状を鋭く反映している。長年にわたり、尖閣諸島に対する不十分な実効支配を放置し、レアアース等戦略資源の供給や市場を中国に過度に依存し続け、「戦略的互恵関係」という抽象的なスローガンに胡座をかいて、増大する中国の経済力や影響力に対し長期的な視点で具体的な関与戦略を構築して来なかったツケを一気に支払わされたと解さざるを得ない。そこで、今回の教訓を「臥薪嘗胆」として、以下、今後政府が優先的に取り組むべき課題を列挙し、提言としたい。

○総合的安全保障体制の確立 官邸を中心に、軍事安全保障、経済安全保障、資源エネルギー安全保障、食料安全保障、情報安全保障の5本柱を包括する総合安全保障戦略を策定、実施していく体制を早急に確立すべき。とくに日米同盟の深化と並行して、我が国の自主防衛態勢の強化を急ぐべき。

○ロシア、ASEAN、中央アジアへの関与戦略の確立 中国との友好関係を堅持すべきことは当然であるが、過度な中国依存を避けると同時に対中牽制の意味(現代の「遠交近攻」策)から、ロシアとは、早期に平和条約を締結し、シベリア・サハリン(樺太)開発や対中央アジアへの共同支援などを通じ戦略的提携を急ぐべき。また、「世界の工場としての中国」の代替になり得るASEANへのインフラ整備と投資促進の支援を強化すべき。

○日中関係の根本的見直し 船長釈放以後もなお謝罪と賠償を求めるなど、理不尽かつ不誠実な姿勢を続ける中国政府に対し、拘束中の4人の民間人を即時釈放し、報復措置を全面解除するように求めるとともに、この機会に日中の「戦略的互恵関係」の具体的な意義と内容について再検討すべき。

○戦略資源の供給リスクの分散化 レアアース等の備蓄体制の強化とともに、資源エネルギー安全保障戦略の速やかな策定と実行を図るべき。また、中国の日本に対するレアアース等の禁輸措置が確認された場合には、WTOに早急に提訴すべき。

○南西方面の防衛体制の強化 『防衛計画の大綱』見直しプロセスおよび日米同盟深化の協議を通じて、沖縄本島を中心とした南西諸島方面への一層の防衛態勢の強化を図るべき。併せて、海上自衛隊(および米海軍)および海上保安庁による海洋警備体制の強化を図るべき。また、できるだけ早い段階で、尖閣諸島の周辺で日米共同の軍事演習を展開すべき。

○尖閣諸島における実効支配の確立 早急に、現状の民間人所有による私有地借り上げ方式を改め、国が買い取る形で国有地に転換し、灯台や警戒監視レーダーなど構造物の設置を進めるべき。

○西太平洋における海洋秩序の構築 域内諸国のシーレーンが通る東シナ海および南シナ海における航行の自由を確保するため、米国やASEAN、韓国、豪州などと協調し、海洋秩序に関する国際的な枠組み作りに着手すべき。

○日中間の危機管理メカニズムの構築 日中間の危機における対話のための管理メカニズムを構築し、海上における偶発的な事故防止、危険回避システムを確立すべき。

4.結語
本事案は、国家としての尊厳について我々に鋭く問いかけていると思う。いたづらに政府対応を批判するのではなく、臥薪嘗胆を旨として、将来にわたり凛として自立する国家を目指し、今こそ国民的議論と行動を興すべき時である。


有志43人
代表世話人 吉良州司▽長島昭久

賛同国会議員 近藤洋介▽古本伸一郎▽田村謙治▽石関貴史▽金子洋一▽北神圭朗▽鷲尾英一郎▽石井登志郎▽梅村聡▽大西健介▽緒方林太郎▽岡田康裕▽風間直樹▽勝又恒一郎▽神山洋介▽木村剛司▽熊田篤嗣▽坂口岳洋▽柴橋正直▽杉本和巳▽菅川洋▽高橋昭一▽高邑勉▽玉木雄一郎▽中後淳▽道休誠一郎▽長尾敬▽中野渡詔子▽中林美恵子▽橋本博明▽畑浩治▽初鹿明博▽花咲宏基▽福島伸享▽藤田大助▽三村和也▽向山好一▽村上史好▽森山浩行▽山本剛正▽渡辺義彦(敬称略)