JSN■「中国船による尖閣領海侵犯事件」に対する沖縄の反応
今回の「尖閣沖衝突事件」、私は「中国船による尖閣領海侵犯事件」と名付けるべきと思います。「中国船の職務執行妨害」でもなく、何が問題の本質かといえば、中国漁船の日本領海侵犯こそが事件の本質であるからです。
先日のメルマガで、那覇市議会での決議も取り上げましたが、石垣市長、沖縄県議会など、今回の事件に対して中国に対する抗議の声が上がっています。
(ささき)
●尖閣沖漁船衝突事件 国に警備強化要請へ 石垣市長 尖閣沖漁船衝突
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-167995-storytopic-227.html
琉球新報 2010年9月26日
【石垣】尖閣諸島を行政区域に持つ中山義隆石垣市長は、尖閣沖衝突事件の中国人船長釈放を受けて25日午後、石垣市役所であらためて記者会見し、「尖閣諸島周辺の警備体制をより一層強化してもらうよう、国に対して強く要請していく」と述べた。石垣市議会や県などとも歩調を合わせ、国へ直接要請することも検討している。
船長の釈放について、「(19日に)拘置延長になった時点で、何らかの処分が出るものだと認識していた。拘置期限が切れる前の処分保留の釈放は驚いた。今回の事例で今後も日本領海内での違法操業が何度でも起きる可能性がある」と危機感を募らせ、「尖閣諸島は石垣市の行政区域であって当然日本の領土。日本国内で起きた事件は日本の国内法でしっかりと対応するべきだ」と強調した。
また「尖閣周辺は優良な漁場だが、中国や他国の漁船が違法操業したり威嚇するような状況になって、地元の漁民が(尖閣に)行かなくなっている状況も見受けられる。安心して漁に出られる環境を整備してほしい」と国に警備の強化を求めた。警備に自衛隊も想定しているかについては「海上保安庁の警備強化、体制強化で十分だと思う」と述べた。
国内最南端、最西端の国境離島を抱える八重山を代表して、「私たちがこの地域に住んでいることで領土、領海、日本国の生活を守っていることに注目していただきたい」と国内の世論に呼び掛けた。
●沖縄県議会が「尖閣」で抗議決議
2010年9月28日 沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/article/20100928_10620/
尖閣諸島周辺海域で、海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件を受け、県議会(高嶺善伸議長)は28日の本会議で、日中両政府に対する抗議決議案を全会一致で可決した。
日本政府への決議では、同漁船の船長を処分保留で釈放した政府の対応について、今後、中国側が領有権を強硬に主張し、同海域での安全な航行が阻害されることなどが懸念されるなどとと抗議。政府に「毅然たる態度」を求めている。
一方、中国政府に対する抗議決議案でも「尖閣諸島がわが国固有の領土および本県の行政区域であることは疑問の余地がない」と強調した上で、再発防止に向け「慎重かつ冷静な対応と、細心の注意」を強く求めている。