■動き始めた「沖縄普天間闘争」「日米共同声明見直し決議案」と「普天間訴訟」
東京の報道では、一見、沖縄の普天間基地問題は落ち着いているかのように感じます。
雑誌の報道では、「普天間問題はこれからも混迷するであろう」という説も見受けられるます。
しかし、実際はこれまでJSNで発信してきたように、普天間基地闘争は「これからが本番!!」なのです。普天間基地移設問題は「沖縄」VS「日本政府」の構図が固まったと以前述べました。事実、選挙期間中にもかかわらず、沖縄の政界はここ数日大きな動きを見せ始めました。
琉球新報のニュースを二つ紹介いたします。
<日米共同声明見直し求め意見書可決へ 県議会>
2010年7月7日【琉球新報電子版】
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-164673-storytopic-53.html
県議会6月定例会は7日、米軍基地関係特別委員会(渡嘉敷喜代子委員長)を開き、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を明示した日米共同声明について見直しを求める意見書・決議案を9日の本会議に上程することを決めた。意見書・決議のあて先は首相や米国大統領ら。
意見書・決議案では菅直人首相が6月23日に糸満市の平和祈念公園で開かれた沖縄全戦没者追悼式に出席した際、沖縄の基地負担に「陳謝とお礼」を表明したことや、同29日に米上院が米軍基地を置く沖縄に感謝する決議をしたことにも
触れ「県民の思いをまったく理解していない行為として県民の大きな怒りを買っている」と批判している。
普天間飛行場の返還・移設問題をめぐる県議会決議は、2月に早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書を全会一致で可決している。
——
このニュースは、今までの地方自治ではありえない地方政治の暴挙が始まっている事を示します。沖縄県議会が日米共同声明の見直しを求める意見書・決議案を本会議に上程することを決めました。それは、日本政府の専権事項である、国防・外交に対して、沖縄県が一致団結して真正面から反対の動きを始めたということです。結局これは、沖縄県議会が「日米安保破棄」の動きを始めたわけです。
私が「沖縄の政界は共産党の統一戦線に巻き込まれた」「沖縄は共産党ににのっとられた」と述べてきたのは、この事を意味します。
次のニュースも非常に危険な動きです。
——
<仙谷氏「堂々と受ける」 宜野湾市長の「普天間」提訴 >
2010年7月6日【琉球新報電子版】
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-164608-storytopic-53.html
【東京】仙谷由人官房長官は5日の記者会見で、宜野湾市の伊波洋一市長が、米軍普天間飛行場使用無効を求める訴訟を国を相手に起こす考えを表明したことについて「政府はその場合は堂々と受け、政府の考え方を述べる。裁判所でちゃんと判断してもらうことが正しい道ではないかと思う」と述べた。
仙谷氏は地方自治体が米軍基地に関し国を相手に訴訟することについて「裁判で決着をつけることは、誰にでも付与されている権利だ。堂々と(訴訟を)されたら良い」としつつも「どういう内容の訴訟を起こすのか。伊波さんの立場に立っても、なかなか容易ならざる訴訟だと思う」との見方を示した。
仲井真弘多知事が2日の記者会見で、日米両政府が普天間飛行場代替施設の建設位置や工法を8月末までに決めるとしていることについて「実行不可能だと思っている」などと述べ、同意は困難との姿勢を強めていることに仙谷氏は「沖縄の方々には、時間軸の問題を別にすれば、理解をいただきたい。政府としては負担軽減に最大限のエネルギーを傾注していくとしか申し上げられない」と述べ、辺野古移設の方針に変わりがないことを強調した。
——
これは「宜野湾市の伊波洋一市長が、米軍普天間飛行場使用無効を求める訴訟を国を相手に起こす」という動きです。その動きに対し、仙谷由人官房長官は、「政府はその場合は堂々と受け、政府の考え方を述べる。裁判所でちゃんと判断してもらうことが正しい道ではないかと思う」と回答しています。
いかにも与党らしいもっともな回答です。しかし、現政権はこれまでの常識が通用しません。なぜなら、現政権は司法権の独立を無視した政権であるからです。
千葉法務大臣は、最高裁の判決を覆して、最高裁で敗訴した在留中国人に在留特別許可を与えたことがあるのです。
<中国人姉妹に在留特別許可 千葉法相、敗訴確定後は異例(2009/10/09 20:38【共同通信】)>
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009100901000892.html
この「普天間訴訟」も反米左翼市長と反米政権のやらせ芝居の可能性が大きいような気がします。
私は、国家より個人の人権を重視する、人権左翼思想を持つ裁判長にこの裁判を担当させたりしないかという心配が湧いてきます。また、この裁判も法務大臣が司法の独立を侵すような、おかしな事をやらないか注視していく必要がありそうです。
JSN代表 仲村